抗がん剤治療をしないという選択(はあるのか): 自然療法について

今回は、自然療法・代替療法についての話。

私は病院が嫌いです。病院の無菌な空間も、アルコールの匂いも苦手です。西洋医学もお薬も関わらずに生きていけるなら間違いなくそのような選択をします。

口にするものはもちろん、日々使う生活用品も地球と自分とに優しいケミカルフリーのものを選び生活しています。癌の宣告を受ける前から、どうしたら免疫力を高められるかに興味があったし、素材の質にこだわり、庭で野菜と鶏を育て、ハーブで自家製のお薬を作り、そんなワークショップも開催していました。

長男を自宅で水中出産し、6年前に長女を妊娠した際もそのように出産しようと計画していました。しかし、彼女が出産日一週間前にいきなり逆子になるという選択をしたため、緊急帝王切開として病院で産むという結果になってしまいました。そのことは、私たち夫婦にとってあまりにもショックなことであり、生まれたての我が子を連れて車椅子で病院を抜け出そうとし、「産まれてから24時間以内の子供を病院から連れ出すと犯罪になる」ということを学んだほどです。これを話すと長くなる(苦笑)。

とにかく、そのくらい病院が苦手でした。そして、すくすくと育つ長女は、いまでも「私は逆子じゃなくて、ちゃんと頭を上にして待ってたんだよ」とちょっと誇らしげ。でも、これも話すと長くなる(笑)。

そんな私が癌の宣告を受け、実は一番怖かったのは、抗がん剤という、癌細胞を消滅させるほど強い薬を、自分の選択で身体に入れなければいけないということでした。今までできる限り避けて生きてきた、化学物質が自分の身体にどんな影響を与えるのかを考え、見えない恐怖に襲われたものです。癌になったということよりも、抗がん剤治療をしなければいけないことが衝撃的な事実だったと言えるほどでした。

ですから、癌と分かって、一般的な抗がん剤の治療についての話を聞くと同時に、私たちのファミリードクターである自然療法士と話をし、癌を専門とする自然療法士を紹介してもらい、代替療法についての知識を得ることにしました。最終的には、日本の癌センターの医師、アメリカの大学病院の白血病専門医、そしてアメリカの3人の自然療法士と話をし、自分の治療プランを立てることにしたのです。


治療計画の決定は、とても繊細なトピックであり、治療の有効性や体への影響など、かなりケースバイケースな内容になります。私の決断が、全ての人の正解になりうるという訳ではなく、むしろ症状を悪化させる場合もあります。そのことを前提の上で、あくまでも私個人の体験談として読んで頂けたらと思います。

抗がん剤に殺される前に、癌に殺される


3人の自然療法士と話して、抗がん剤治療に関しての私の不安をシェアした時、その3人から共通してでてきたメッセージがこれでした。 抗がん剤は確かに強い化学物質である。ただ急性白血病の場合、抗がん剤をしないという選択に伴うリスクが高すぎる。成功事例としてあまりに少なすぎる。抗がん剤治療をしないという選択をし、代替療法を試しているうちに、きっと白血病という癌に命を奪われるだろう、と。

その代わり、抗がん剤治療を受けるという選択をしながらも、同時並行的に抗がん剤による身体へのダメージを最小限にする自然療法を考える。そして、自己免疫力を高め、どうしたらより早く回復できるかにフォーカスするのが賢明であると。そして、それを助ける方法として下記のことをアドバイスされました。


ーーーーーーーーーーー まずは心構えの部分から ーーーーーーーーーーー


抗がん剤を味方にする

どんなに科学物質に嫌悪感があったとしても、抗がん剤に対する恐怖があったとしても、一度抗がん剤治療をすると自分で最終的に決めたのなら、抗がん剤を信じて向き合うようにと。抗がん剤は自分の身体を攻撃するものではなく、私を治すために助けてくれる存在として私の身体に入ってくることをきちんとイメージすること。


私は、初めに投与されたイダルブシンという抗がん剤の色が金色だったため、金色の癒しの光が体内に入っていくイメージをしながら抗がん剤を受けていました。この「黄金の光」にその後だいぶ苦しめられましたが(苦笑)、抗がん剤を体に入れる恐怖はだいぶ収まっていて、抗がん剤に対しては「頼んだよ、相棒。」くらいの気分になっていました。

過去よりも未来のための「今」を生きる


不思議なもので、癌の句告知を受けてから、「なんで私がなったのだろう」という疑問を感じたことがありませんでした。一人目の自然療法士に初めて会った日「どうしてあなたは癌になったのだと思う?」と聞かれて初めて、自分がその質問を自分に投げかけてなかったことに気付いたほどです。ただ、癌の治療に良いとされる、食生活や生活習慣の多くをすでに実践していたため、「これ以上どうしたらいいのだろう・・」という疑問はありました。その会話をした際に、彼女に言われたのが、それでいいのだということ。

これまでこんな健康な習慣をしてきたのに何故?と疑問に思い希望を失うことも、逆に今までの自分の行いを後悔するのも、向き合っているのは過去の自分。でも、今私が向き合わなければいけないのは「今」の自分。

今まで健康に気を使って生きてきたからこそ、もしかしたら10年前にかかるはずだった白血病を10年遅らせられることができたのかもしれない。(確かに10年前にかかっていたら、子供を授かることもできなかったかもしれない)そして、その積み重ねがあったからこそ、抗がん剤治療を受けても回復が順調に行くはずだと信じるようにと。

癌になったこそ、改めて「今」をきちんと生きるようにと。

このアドバイスは、本当にその通りで、治療中は体調も気持ちもローラーコースターに乗っているかのように、アップダウンする時があります。だからこそ、マインドフルに自分に敏感でいることが大切なのだと思います。「今」の自分と「今」を生きること。そうすることで、そのことが、心の均衡を保つ助けとなっていたように思います。

血液の癌は、過去の自己肯定感の低さが影響する可能性もあると読んだこともあります。しかし、過去の自分や自分の思考と向き合いながらも、やはり大切なのは、いまの自分をどうありたいかだと思うのです。そして同時に、思っている以上に過去の自分は、自分に優しくできていたのではないか、だからこそ別の形ではなく、このタイミングのこの場所で癌と向き合っている自分がいるのではないかと考えていいと思うのです。

ーーーーーーーーー そして実践的なこと ーーーーーーーーー

治療中の過ごし方

・毎日歩くように。入院中は病棟内を歩き、退院したら自然の中を歩くように。吐き気がないけど、疲労感がある時は、歩くことで寧ろ症状を軽減することが多い。 ・どんな些細な身体の変化も医師に伝えること。 ・最低8時間の睡眠を取り、出来る時に昼寝もすること。 ・副作用の軽減と免疫力アップ、疲労回復のために鍼治療を受ける。 ・瞑想をすること。 ・抗がん剤治療のためのビジュアル瞑想をすること(抗がん剤が身体の中をクレンズしていることを想像する)。 ・周りの誰かに、「臨床実験リスト」のサイトを調べてもらい、もしものために試験可能な最新の治療についての知識を得ること。

副作用の予防と対処策

<吐き気> ・吐き気防止のために船酔いバンドを手にまく。* ・吐き気を止めるツボが耳の内側と手首にあるので、そこを刺激する。 ・生姜のお茶を飲む、生姜の飴を舐める。 ・シトラスの匂いをかぐ。 ・ホメオパシー。(Tabacum, Cocculus, Arsenicum, Nux Vomica)*

<口内炎> ・口内炎予防にZincのサプリを飲む。 ・塩水でうがいをする。

食事について

・入院中は病院食ではなく、できる限り自宅で料理した質の良いもの、全ての材料が分かるものを食べること。 ・抗がん剤投与中は、固形物をいつもより減らし液体で栄養を摂るように。(お味噌汁、スープ、グリーンジュースなど) ・ビタミンA摂取のために、一日一本はニンジンを食べる。 ・一日最低60gのタンパク質を摂る。 ・キノコを食べる。 ・緑茶やココナッツウォーターを飲む。 ・抗がん剤の影響で食べられる味、食べたい味が変わるので、甘いもの、しょっぱいもの、酸っぱいものなど違う味覚のものを常備しておくこと。


白血病に効果的と言われる食材のリストや、私が毎日飲んでいたスムージのレシピなどは別途投稿したいと思います。


ちなみに、私が入院していた病院では、レストランのようなメニューがあって前菜、メイン、デザート、飲み物まで様々なものをオーダーできました。ローカルのグリルドサーモンなどもあり、味も病院食にしたら美味しい。しかも食事代は入院費に含まれているし、何度頼んでも同じ値段!ということで、仕事帰りに友達がお茶しにきたり、ご飯を食べにきたり、夫が病室に着いて早々チーズケーキをオーダーしたりということが度々ありました。そんな「立場逆じゃん!」みたいな時間が、実は私にとっての癒しの時間でした。

サプリメント

・ビタミンD:体内バランスを整え免疫力をアップさせると同時に、抗がん剤の効果を高めるため。 ・Zinc(亜鉛):口内炎予防のため。 ・Quercetin(ケルセチン)*:イダルブシンという抗がん剤によるDNAのダメージを防ぐ。(主治医と話した結果、抗がん剤の効果を低下させるということで実際には摂取しませんでした) ・Berberine(ベルベリン):血糖値を下げる。(私は血糖値が高めだったため) ・Psyllium Husk(オオバコの皮):便秘予防と腸内環境を整えるため。 ・Cal-Mag(カルシウムマグネシウム):便秘予防と筋肉痛予防のため。 ・マッシュルームサプリ:健康促進と免疫力アップのため。 ・Millettia 9 Ji Xue Teng Pian(鶏血藤など9種類の植物の入った漢方):疲労回復と骨髄の再生を助けるため。


*の印があるものは、自然療法士から勧められたものの、自身の症状の関係や主治医との話し合いの結果として実際に試さなかったものです。

その他の代替療法

自分たちのリサーチや、自然療法士との会話からその他の代替療法があることを知りました。私の場合、はじめの抗がん剤治療が効かなかった場合や、骨髄移植をしなければいけなかった時に、もう少し詳しく調べて試してみようと思っていましたが、その例がこちらです。 ・波動療法(特定の周波数の波動を体内に流す) ・アミノセラピー(アミノ酸の一種であるメチオニンの摂取量を制限) ・野菜ジュース療法 ・腸内クレンズ ・断食 ・デトックスサプリ などなど。

ただ、幸運なことに抗がん剤治療で寛解にいたり、現状では骨髄移植の必要もないと言われているため、上記の代替療法を試さずにここまで来ることができました。今は、西洋医学とお世話になった医療関係者に感謝しつつ、自分なりに信じる自然療法で身体の完全回復を図っています。改めて口にするものにこだわり、適度な運動をし、瞑想をし、心、身体、精神のバランスを取りながら、「今」をしっかりいき続けていこうと思っています。 自然の力と、自分の持っている心と体への治癒力を信じていきたいと思っています。 ----------------------------------

これは、ある日突然、急性骨髄性白血病との告知を受け、「白血病治療中」という新生活を始めた私が、寛解に至るまでの7ヶ月間、どのように癌と向き合い、毎日をより快適に過ごすために何をしたのかなど、「白血病暮らしの知恵袋」としての記録です。自分の価値を押し付けたいのではありません。こんなことを感じて、実行した人がいたということを知ることで、何かのお役に立てたら幸いです。

これらの記録は医学的根拠に基づくわけでもありません。一口に白血病と言っても、それぞれの体調や置かれている立場は様々であり、これらのことが全ての人に当てはまる、役に立つとは限りません。それどころか、時には寧ろ治療の妨げになってしまうこともあるかもしれません。そのことをご理解の上、あくまでも参考程度に読んでいただけたらと思います。