今回は、治療中に買ってよかったもの、あって便利だったものについてのご紹介です。
白血病が判明して、買ったりいただいたりしたアイテムたちですが、治療中はもちろんのこと、寛解に至った今でも大活躍な商品たちです。
smile warmer
抗がん剤の影響で髪の毛が抜け、思い切ってバリカンで剃ったということもあり、坊主の時期があったのですが、基本的にいつも帽子をかぶっていました。髪の毛がないことで、頭皮がすごく繊細になり、外気の変化にも敏感になったのですが、そんな時に、かなり愛用してたのが、大切な友人からもらったこちらの帽子。
100%シルクということで、肌触りがめちゃくちゃ気持ち良いだけでなく、寒いときには暖かく、暑いときでも蒸れないという優れもの。リバーシブルとしても使えるだけでなく、なんと寒いときにはネックウォーマーにもなる。見た目以上の柔らかさで、治療中はもちろん、髪の毛の生えてきた今でも、大活躍の相棒です。
広げるとこんな感じ。このまま腹巻としても使えるとのこと。 これを帽子にするには・・
ストライプの真ん中あたりで捻る。
そして半分に折る。
リブの部分で縁を包む。
帽子になりました〜
私は友人からいただいたのですが、こちらで購入できるようです。
Hugo 湯たんぽ
抗がん剤治療中は、急に寒気に襲われ、昼間からガタガタと震えが止まらなくなる時もありました。そんな時に湯たんぽを抱いて寝ると、身体がポカポカ温まっただけでなく、なんだかホッとして、私の心もじんわりと暖かくなったものです。
私は、フーゴフロッシュの湯たんぽを使っていましたが、プラスティック製のに比べ、抱き心地が断然によかったのと、カーバーのふわふわに癒されました。もう一度言いますが、抱き心地がちょうど良い!
副作用の一つでお腹が痛くなった時はお腹に当て、足先が冷たい時は布団の中に忍び込ませていました。腕のピックライン(輸血や抗がん剤を注入するための中心静脈カテーテル)が炎症を起こし痛みがあった時にも、温めて痛みを軽減することができました。 治療が終わった今も、少し気温が冷えた日や、寝付きの悪い日に未だ大活躍のアイテムです。家族で取合いになるほど。
Barkey Water Filter (浄水器)
私たちの体のほとんどは水でできています。子供だと70%ほど、成人でも60-65%は水なんです。だからこそ、どんな水を口にするのか、どんな水を使って料理をするのか、実は思っている以上に大切なことなのです。白血病が判明して、食事療法や自然療法を調べましたが、多くの文献や対話を通し、水の質にこだわる大切さを再確認しました。汚染された水を飲むだけで、少なくとも自分の60%を汚すことになるって、かなりの高リスク。(同時に、環境難民問題の深刻さも感じたりしたのは、また別の話。)
そこで、浄水器について調べてみたのですが、水道に取り付けるのは嫌であったこと、ポット型は容量が少ないのとフィルター取り替えの頻度が高いこと(それに伴い、リサイクルできないフィルターのゴミを出し続けることになる)で、シンプルなステンレス製、タンク型のBarkey(バーキー)の浄水器に決めました。
もともと私の住むポートランドの水はフッ素も入ってないし、他の場所に比べると美味しいと言われてますが、浄水器を通過した水はやっぱり美味しい。無味無臭。浄水までに多少時間がかかること、中が見えないこと(入れすぎて溢れさせたことあり)がやや難点ですが、思い切って買ってよかったと思っています。
電気を使わずに使用ができ(災害時にも大活躍!)、除去できる汚染物質が多いことで結構人気のアイテムです。私はまだ試していませんが、コンパクトに収納できるので、キャンプなどに持っていき川の水を浄化して飲めるようにすることも可能のようです。実際に泥水を浄水器に入れ実験しているビデオがありますが、それはもうびっくりです。そして、フィルターの交換が6000ガロンまで不要ということで、毎日2ガロン(8リットル)使っても3000日は交換不要と、初期投資は多少高いけど、長い目で見たらお得なお買い物です。
何より、自宅で美味しく、体に優しい水が飲めるのは幸せなことだと思います。
Vitamix
他の記事も書きましたが、治療中は毎日野菜スムージーを飲んでいました。食欲がないときや、身体が冷えている時には様々なスープを飲みました。そんな時に大活躍であったのが、その名も知れたVitamix。うちはE310wo使っています。
(写真はwww.vita-mix.jpより)
正直、値段で今まで躊躇してたのですが、使い始めると、正直もうコレのない生活は考えられないというほど毎日使っています。
上記のように、スムージー、スープを作るのにはもちろん、パイ生地を混ぜたり、ココナッツミルクとフルーツでアイスクリームを作ったり、挙げ句の果てにはVitamixのお陰で自家製の和風出汁パウダーや野菜出汁パウダーまで作るようになりました。
これらをVitamixにかけると
自家製和風出汁パウダー。
野菜(玉ねぎ、人参、セロリ、人参の葉っぱなど)を乾燥させて 塩と干し椎茸と一緒にVitamixへ入れて撹拌し、
野菜出汁パウダー。
これに塩麹を入れると野菜コンソメに近い味になります。
この出汁を作っておくと、料理の時間が短縮できるだけでなく、様々な料理に使えて大助かりです。これも、Vitamixのおかげ。我が家のキッチンで必須アイテムになりました。
UCHINO ガーゼパンツ
入院中に撮った上の写真で履いているこちらのパンツ。
日本の叔母からお見舞いでいただいたのですが、この履き心地半端じゃない!入院中はパジャマとして履き、退院してからも部屋着として、外出着として、お散歩に、川遊びにとかなりヘビロテしていました。ガウチョウパンツということで、幅がちょうどの良いワイドであること、丈が微妙に短いということで、とにかく履いてて楽。ダブルガーゼの肌触りも最高。
寒くなってからも、暖かいレギンスの上に履いています。一年を通して大活躍。そして、特にアメリカ人に大人気で、担当のナースやお見舞いにきた友人たちに大好評をいただき、なぜかやたらと触られました(笑)。見た目からして気持ちよかったのかも。
自分に優しく。
こうやって改めて自分が持っていて助けになったものをあげてみると、肌触りが良い、飲みやすい、抱き心地が気持ちい、など実用性以上に「気持ちのよい」ものたちが多いことに気がつきました。治療中は特に、利便性も大切ですが、身体以上に自分の心に優しくできるアイテムの存在が嬉しかったように思います。
そういうアイテムに囲まれ、日常的に使うということは、自分を癒し、自分への優しさをもっともっと、ずっとずっと送り続ける作業なのかもしれません。
たくさんものの溢れる今だからこそ、質の良いもの、本当に自分とマッチするものを見つけることが大切なのだと思います。日々の自分の生活の、ソフトな部分とハードな部分両方にとって「良い!」と思えるものを長く使っていきたいものです。
これ、最近撮ってお気に入りの写真。いつの時代だよって突っ込みたくなるうちの6歳児。よく考えると彼女が運転している(ふりをしている)私の車も結構歳をとってきました。年数にしたらまだ15年落ち程度だけど、走行距離は半端じゃない。アメリカを横断も縦断も何度しただろう。でもまだまだ現役で、いつか子供達の初めての車としてプレゼントしたいと思っています。子供の服もかなりビンテージ。そんな風に、古いものがちゃんと次の世代に引き継がれている感覚がすごく好きだなとこの写真を見て改めて思うのです。
だから、私が日々使うお気に入りアイテムたちを、ここに挙げたような、私の生活の必需品たちをちゃんと子供達に引き継げるよう、「モノにも優しく」も大切にしていきたいと改めて思うのです。
自分に優しく。人に優しく。 モノに優しく。そして地球に優しく。
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これは、ある日突然、急性骨髄性白血病との告知を受け、「白血病治療中」という新生活を始めた私が、寛解に至るまでの7ヶ月間、どのように癌と向き合い、毎日をより快適に過ごすために何をしたのかなど、「白血病暮らしの知恵袋」としての記録です。自分の価値を押し付けたいのではありません。こんなことを感じて、実行した人がいたということを知ることで、何かのお役に立てたら幸いです。
これらの記録は医学的根拠に基づくわけでもありません。一口に白血病と言っても、それぞれの体調や置かれている立場は様々であり、これらのことが全ての人に当てはまる、役に立つとは限りません。それどころか、時には寧ろ治療の妨げになってしまうこともあるかもしれません。そのことをご理解の上、あくまでも参考程度に読んでいただけたらと思います。
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